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杉浦さん・伊藤さん・奥秋くん・森先生・北畑先生との論文が Nature Communications に出版されました

Haruka Sugiura, Manami Ito, Tomoya Okuaki, Yoshihito Mori, Hiroyuki Kitahata, Masahiro Takinoue, “Pulse-density modulation control of chemical oscillation far from equilibrium in a droplet open-reactor system”, Nature Commun., 7, 10212 (2016). DOI: 10.1038/NCOMMS10212 link

プレスリリース記事:
細胞を模倣した微小反応容器のコンピューター制御に成功
~人工細胞や分子ロボットの開発に期待~

概要
熱平衡状態から大きく離れた系の化学反応をコンピュータ制御できる「人工細胞型微小リアクタ」の開発に世界で初めて成功した.

細胞が膜小胞によって化学物質を取り込んだり排出したりする現象に着目して制御理論を発案した.この制御理論に基づき,マイクロ流路技術を利用して微小な水滴を電気的に融合・分裂させ,微小水滴の内外への化学物質の供給と排出を制御する微小な化学反応容器(人工細胞型微小リアクタ)を開発した.さらに,このリアクタを利用し,熱平衡状態から大きく離れた化学反応に特徴的なリズム反応(化学物質濃度が増減して規則的なリズムを刻む反応)を自在に制御することに成功した.

開発したリアクタは「生命とは何か?」という根源的な問いを解決する手助けになるとともに,将来は細胞を模倣した高機能な分子コンピュータや分子ロボットの開発、細胞状態のコンピュータ制御に基づくモデル駆動型の生命科学・医薬研究分野への応用などが期待される.