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瀧ノ上が「分子ロボティクス研究会・6月定例会」をオーガナイズしました

【分子ロボティクス研究会・6月定例研究会】

日時:6月24日(金)13:30〜17:30
場所:東京工業大学 田町キャンパス
キャンパスイノベーションセンター 806号室
http://www.titech.ac.jp/about/campus/t_googlemap.html
世話人:瀧ノ上正浩
プログラム:

13:30-14:30 特別講演(1)
○清尾康志先生(東京工業大学 大学院生命理工学研究科)
http://www.skn.bio.titech.ac.jp/
「有機化学的手法による核酸の構造と認識の制御」
有機化学的に化学構造を改変したDNAはDNA構造体や機能性DNAを開発する際の重要なツールとなり得る.本発表では新しいDNAの合成法やそれらを利用した核酸の構造と認識の制御について紹介する.

14:30-14:40 休憩・時間調整

14:40-15:40 特別講演(2)
○小林徹也先生(東京大学 生産技術研究所)
http://research.crmind.net
「ゆらぐ細胞システムの生物学と数理」
近年蛍光タンパク質に代表されるバイオ計測技術の進歩により,我々の体の構成要素である細胞は非常に確率的なゆらぐ振る舞いをすることが分かってきた.またその細胞を構成する化学反応や分子の振る舞いも,熱的揺乱に曝され確率的である.
ところが,このような確率的素子によって構成されながらも生体システムは全体としてかなり安定に機能することができる.「確率的な振る舞いをする素子からどのような論理によって全体としての安定な機能が実現できるのか?」という問題は生命科学における大きな未解決問題であるとともに,ミクロな分子機械の設計に代表されるように生物以外にも波及効果のある問である.
本発表では,まずミクロな細胞システムのゆらぎ研究を概説したい.そして,一見大きくゆらぎながらも安定に機能する細胞システムの設計原理を捉えるための数理的方法について,最新の知見を紹介する.

15:40-15:50 休憩・時間調整

15:50-16:20 研究発表(1)
前田一輝(1),○尾上弘晃(1),瀧ノ上正浩(1,2),竹内昌治(1)
(1:東京大学 生産技術研究所, 2:東京工業大学 大学院総合理工学研究科)
http://www.hybrid.iis.u-tokyo.ac.jp/
http://www.lifephys.dis.titech.ac.jp/
「DNAナノカプセル構築へ応用可能な遠心マイクロゲルビーズ作製法の開発」
近年のナノ・マイクロテクノロジーでは,細胞やナノサイズの機能性生体高分子を自己組織化させ,より高次な機能を持つ組織や構造体を構築することが求められている.生体親和性の高いマイクロハイドロゲルは,このような自己組織化システムの基板になるマテリアルとして注目されているが,今まで,大きさや性質の揃ったマイクロゲルを素早く大量生産することは困難であった.本発表では,卓上の簡易小型遠心機と組み合わせて使うことで,均一サイズのマイクロゲルビーズを素早く大量に生産できる,簡便なマイクロデバイスについて報告し,DNAナノカプセルなどの自己組織化システムへの応用の可能性を議論する.

16:20-16:50 研究発表(2)
○関根亮二(東京工業大学 大学院総合理工学研究科)
http://www.igs.titech.ac.jp/
「表現型の多様性が自律的に生まれる 人工遺伝子回路の構築」
近年研究されている合成生物学では,シミュレーションを用いた設計を元にいくつかの遺伝子を組み合わせて小規模な回路を作り,この人工遺伝子回路 を細胞に組み込むことで,細胞に所望の挙動をさせる.人工遺伝子回路を構成する遺伝子とその相互作用は既知であるため,天然の細胞よりも挙動の予 測や制御が容易であるが,発生や再生現象にみられる高度な機能の実現はいまだ課題となっている.分化がかかわるこれらの現象における重要なできごとに,細胞集団における表現型の自律的な多様化がある.本研究では表現型の自律的な多様化を大腸菌で実現するための人工遺伝子回路 (Diversity generator)を新規に設計・構築した.本発表では,Diversity generatorを導入した大腸菌の集団が自律的に多様化することを蛍光強度の経時変化の測定で実験的に確認し,多様化後における二つの表現型の比率が,実験条件によって操作できたことを報告する.さらに本発表では,今回の表現型比率の操作を軸にして合成生物学と制御工学の融合の可能性について議論する.

16:50-17:30 その他の話題
・BIOMODの各チームの近況報告
・他